苦手意識の強いTBI! 歯科衛生士の必須スキルTBIについてお伝えしていきます。
歯科衛生士の必須スキルTBIについて、ラプレシャス運営スタッフの更谷が複数回に分けてお伝えしていきます。
さて、お久しぶりの歯科TBIブログは実際の症例を基にした実践編です。
そろそろ今まで学んできた知識を実践に活かしてみるために、こんな患者さんにどうTBIする?を一緒に考えていきましょう。
予診票より、患者さんは中学3年生の受験生(女子)
Q1. ブラッシングを1日何回行うか?
A. 1日1回磨けば良いほう
→ ブラッシング不足・思春期性歯肉炎を疑う。セルフケア不足により歯肉炎が起こっていること。年齢的にホルモンバランスが乱れやすく通常より歯肉炎を起こしやすいことが考えられる。
Q2. どのような歯ブラシを使っているか?
A. 子供用の小さな歯ブラシ。
→ 小さい歯ブラシでは磨き飛ばしが多くなるため、短時間のブラッシングではプラーク除去率が低い。
Q3. ブラッシング指導を受けたことがあるか?聞いたことを実践しているか?
A. 習ったことはあるけれど、実践はしていない。
→ 細かいことを気にしない性格。口腔内に対しての意識と優先順位が低いことが分かる。
Q4. クラブなどでスポーツをしているか?(スポーツドリンクの過多摂取を疑う)
A. クラブはしていないが、習慣性的にジュースを摂取している。
→ 前歯部の脱灰の原因として考えられる。
Q5. 受験勉強で生活が不規則になっていないか?
A. 塾に通っていて帰宅が遅い。
→ 疲れて帰宅し、起床も遅くなるため歯を磨く時間がなかったのではないかと考える。
Q6. 夜食の摂取をしているか?
A. 塾の合間や帰宅後にちょこちょこ食べをしている。
→ カリエス予防に関しても指導が必要であることが読み取れる。
聞き取りから分かること
① ブラッシング不足・思春期性歯肉炎を疑う。
② 口腔乾燥を疑う。
③ 糖分の過剰摂取を疑う。
例1(ブラッシングの大切さを伝える):
『歯の病気には、むし歯と歯周病の2種類があります。
どちらもお口の中の細菌が原因で起こるものですが、○○ちゃんのお口の中には沢山の細菌がいます。
今は自覚がなく、お困りごともないかもしれませんが、このままではむし歯も歯周病も進行してしまう状態です。
進行を止めるためには、プラークを取りきるように磨くことが大切です。
今からポイントをお伝えしますので、ぜひ覚えて帰ってくださいね。』
例2(口呼吸のリスクを伝える):
『○○ちゃんはこの前まで矯正治療をしていましたよね。
その時は歯の表面に装置が付いていたから唇を閉じにくかったと思うけれど、最近はどうですか?
どうしてこんなことを聞くのかと言うと、お口がポカンと開いていると歯の表面が唾液に守られず、乾燥してしまいます。
乾燥するということは、細菌の塊である歯垢=プラークが固くなって歯の表面にこびりついて、歯ブラシでこすっても取りにくくなるということです。
○○ちゃんの歯の表面には、固いプラークが付いている状態なので、歯ブラシの当て方を変えるだけでなく、歯の表面を乾燥から守ることも大切です。
それに、矯正装置が外れた後は、歯が元の状態の戻ろうとして少しずつ後戻りをしてしまうこともあります。
せっかく長い時間をかけて綺麗な歯並びになったのに、元に戻ってしまうのはもったいないです。
後戻りを予防する方法も、“口を閉じる”ことなので、これからは口元に注意する癖をつけてくださいね。』
例3(むし歯と食生活について伝える):
『○○ちゃんは自分のお口を鏡で見ることはありますか?
前歯の根元の方が変色していますよね。
これは初期むし歯と言ってむし歯の始まりなんです。
今は痛くないし、すごく初期だから治療の必要もありませんが、進行しないように注意が必要です。
それと○○ちゃんの歯の表面には歯垢と呼ばれる細菌の塊がこびりついています。
この歯垢がむし歯を進行させる原因なので、歯垢を取りきる磨き方をお伝えしますので、ぜひ覚えて帰ってくださいね。
それと、歯磨き以上に大切なのが、食生活習慣です。
○○ちゃんの普段口にしている食べ物・飲み物を教えてくださいね。
(食事の回数、間食の有無と頻度、習慣的飲料物の有無と頻度、就寝前1時間以内の飲食習慣について確認する。間食内容として繊維質の物は自浄作用を促進するのでオススメであることもお伝えする。)』
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