第5回 歯科TBI

歯ブラシ基礎知識を復習しよう その2

更谷真耶 更谷真耶

# コラム

 

歯科衛生士の必須スキルTBIについて、ラプレシャス運営スタッフの更谷が複数回に分けてお伝えしていきます。

 

 

歯ブラシの選び方のコツ

 

さて、前回お届けした『【TBI】第4回 歯ブラシ基礎知識を復習しよう1』が予想以上に反響が大きく嬉しく思っています。

歯科医院でのコミュニケーションや心理的な部分を抜け出し、知識や実践的な分野になると一気にイメージが湧きやすくなると思います。

 

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毎日使うものだからこそ自分にあった歯ブラシ、磨きかたを知ってほしい」と願う衛生士の方へ

今回も選び方のコツをお伝えしていきます!

最適な歯ブラシを選ぶためのポイントは3つ。

「毛の材質」「毛先」「毛束の密度」です。

 

 

毛の材質

 

歯ブラシの毛先には人工毛天然毛(豚毛や馬毛、山羊毛、アナグマ毛など)があります。

→書きながら、馬毛以外は見たことない〜と突っ込んでます(笑)

 

私自身、天然毛をお使いの患者さまには未だ出会った事がないのですが、調べてみると好んで使われている方も少なくないようです。

歯科医院において天然毛をおすすめすることはあまりないと思うので、今回は人工毛についてお伝えしていきます!

現在歯ブラシに多く使われている材質は「ナイロン」「飽和ポリエステル樹脂(PBT)」の2つです。

 

ナイロン

化学繊維の中でも長い歴史を持っているもののひとつです。

丈夫で切れにくいというメリットから現在市場に出回っている95パーセントの歯ブラシがナイロン製と言われています。

ナイロン歯ブラシは吸水性が低く、細菌繁殖しにくいと言われていますが、ポリエステルはナイロン以上に吸水性がほとんどなく速乾性もあるため、衛生面ではポリエステルのほうが優っていると言えます。

 

飽和ポリエステル樹脂(PBT)

歯科専売品の多くは飽和ポリエステル樹脂(PBT)で作られています。

ポリエステルは柔らかく・コシがあり、耐久性にも優れていて同じ磨きかたをしてもナイロンに比べると、何と4.2倍も耐久性が良いとのことです!

そのために極細毛の歯ブラシに使用されていることが多いです。

実際に、市販のもので同じメーカーのナイロンと飽和ポリエステルの歯ブラシを使ってみました。

毛の太さは一緒でも、どちらかといえば飽和ポリエステルのほうがしなやかさがあったように思います。

患者さんの歯ブラシが1月も経たずにへたってしまうのは、磨きかただけではなくて使用されている歯ブラシの毛材が何かを訊いてみる必要があるのかも・・・と思いました!

 

 

毛先の形態

 

毛先の形態はフラット(水平毛)・ラウンドカット毛・テーパード毛・極細毛・斜め毛・球状毛など他にもたくさんの種類があります。

今回はわたしたちの身の回りによく登場するラウンドカット毛テーパード毛と極細毛に限定して特徴を挙げていきます。

 

ラウンド毛

ラウンドカット毛

歯の面に接触する面積が大きいのでプラークの除去率が高い傾向にあります。

対合歯の損失や口呼吸や唾液の減少、唾液の粘稠性などが原因で歯面にベタッと硬いプラークが付きやすい方に向いています。

(プラークが残りやすい部位や口腔内の個性については改めてブログでまとめていく予定です)

ただし、歯ブラシ時の力加減が強いと歯の磨耗や歯肉退縮に繋がりやすいため、注意が必要です。

 

テーパー毛

テーパード毛

先端に向かって細くなっているので歯間部やポケット内にも挿入しやすく、ポケット内プラークの除去に向いています

主に歯肉の近くを磨くのことをメインとしているため、比較的やわらかく歯肉溝に入りやすくなっています。

ただ、こちらもラウンドカット毛と同じく、磨き方や力加減によっては歯肉退縮などに注意が必要です。

プラークの質や付着の仕方をしっかり観察して、歯ブラシの硬さを選択する必要があります。

 

 

毛束の密度

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毛の長さや硬さ、毛先の特徴だけでなく、毛の量もプラークを除去するにあたり大変重要なポイントになってきます。

 

毛が多い(密毛) 歯ブラシメリットとして、プラークを絡め取る能力に優れています。
反対にデメリットとして歯ブラシの乾燥に時間がかかるため、細菌繁殖がしやすくなります。

短期間での歯ブラシの交換が必要です。

 

毛が少ない(疎毛)歯ブラシ歯間部に入り込みやすいため、突っ込み磨きに向いていることがメリットです。

補綴の間も磨きやすいため細かい場所を磨くには最適です。

ただしスクラビング法など歯面を磨くブラッシング方法では密毛のほうがプラークの除去率は高くなります。

 

 

まとめ

 

これらのことを踏まえて歯ブラシを選択するとき、まずはプラークの性質や歯の形態をよく理解しておく必要があります。

 

  • プラークの硬さは柔らかいのか、硬いのか。
  • 着色が付きやすい方へおすすめするもの。
  • 歯面をケアしたいのか、それとも歯周ポケット内や歯間部をしっかり磨くのか。
  • 歯列不正があるか。
  • 歯肉が薄く歯肉退縮や知覚過敏を起こす恐れがないかなどの配慮も必要です。

 

メインテナンスをしているとき、常に頭の中で”この患者さまにはどの歯ブラシが合うだろう”と考えながら口腔内を観察するよう意識しています。

目の前にいる患者さまのことを全力で考えることが、歯科衛生士としてのステップアップに繋がるな〜と実感する今日この頃です。

 

このブログを始めて、歯ブラシの選択に更に力が入るようになりました。歯科医院に置いてある歯ブラシの種類には限りがあると思います。

少ない種類の中から少しでも患者さまに合った歯ブラシを選択することも必要なことです。
そして、選んだ歯ブラシに足りないものがあるとすれば、それは何なのか?

その患者さまにはどのようなブラシがベストなのか?を考察することも非常に大切です。

患者さまにおすすめする前に、ぜひ自分自身のお口で、磨き心地やプラークの除去率を実感してみてくださいね!

 

最後に弊社代表の岡村がセミナーで話していた言葉

「自分の好き嫌いで歯ブラシを評価しないこと!」

自分にとって磨きやすいはあってあたりまえ。

自分に合わないからと言ってその歯ブラシは嫌いではなく、なぜ自分が好きなのか?なぜ磨きやすいのか?

口腔内の個性を考えるタイミングであるということ。

自分の好き嫌いで歯ブラシを選ばず、医院に置いている歯ブラシの特徴を知ることから、TBIはスタートするんではないでしょうか・・・

 

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