苦手意識の強いTBI! 歯科衛生士の必須スキルTBIについてお伝えしていきます。
歯科衛生士の必須スキルTBIについて、ラプレシャス運営スタッフの更谷が複数回に分けてお伝えしていきます。
さて、前回までは歯科のTBIにおいて最も大切になる、患者様への伝え方やコミュニケーションについてお伝えしてきました。
今回からは歯ブラシの基礎知識を復習していきましょう。
なぜ、いまさら基礎知識なのかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが!?
市販の物から、歯科専売品まで含むといったいどれだけの歯ブラシがありますか〜?
その中から患者様に合った歯ブラシを選択するためには、
「選び方のこつ」を知らなければ、選ぶことができないのでは・・・
選べるようになるためにも、歯ブラシの特徴や個性を覚えておくことはとても大切です。
少しでも臨床で役立つヒントが見つかれば幸いです!
ヘッド(頭部)は、歯ブラシをするにあたり一番重要な部分となります。
小さな頭で、わたしたちの宿敵、お口の中の細菌を一生懸命取り除いてくれるのです!
ヘッドと呼んでいるこの部分、実は2つの部位から成り立っています。
まずひとつめ、ヘッドには『植毛部』と呼ばれる部分があります。
その名の通り、ブラシの毛束が埋まっているところです。
その植毛部を支えているのが、ふたつめの『台座』です。
毛が埋まっている下側のプラスチックの部分です。
ヘッド、ヘッドと呼んでいると、この『台座』という言葉はあまり耳にすることがないと思います。
ましてや患者さんに説明もなく「台座が〜」なんて説明してしまうと、患者さんは?でいっぱいになっちゃいますね。
しかし、あまり耳にしないこの『台座』、大きさや形によって、毛束(ブラシ)の配列や並び方が変わってくるため、とってもとっても重要な部分なんです!!
台座の形は大きく3種類に分けられます。
A. スクエア型
従来型の長方形
歯科専売によくみられる
B. 先細型
先端に向かって細く小さくなっていくので、奥に挿入しやすい
C. オーバル(卵型)
角がないため口腔内で操作しやすい
海外旅行に行くといつも驚くのが、外国の歯ブラシのヘッドの大きさです。
実際に使ったこともあるのですが、わたしの口腔内では、だいたいの歯ブラシで臼歯部(特に7番の遠心)は磨くことがほぼ不可能です。
日本においても、昔は西洋の歯ブラシを模範して作製されていたのか、大きなサイズが多かったようです。
しかし近年は、日本人のお口のサイズに合ったコンパクトヘッドの歯ブラシがたくさん流通していますね。
歯科医院でも、患者さまに「小さめの歯ブラシで細かく動かして磨いてくださいね」と声かけする機会も多いのではないでしょうか?
しかし、コンパクトヘッドには利点もあれば欠点もあります!
改めて、コンパクトヘッドの利点と欠点をおさらいです。
メリット
もちろんみなさまもご存知の通り「小回りが利くこと」車もタイヤサイズが小さい方が曲がりやすいのと一緒ですよね〜
デメリット
私が思うNO1のデメリットは、コンパクトヘッドで全顎を磨ききろうとすると「根気=時間がかかること」
モチベーション・性格・環境が整っていれば、小さい歯ブラシで丁寧に磨いていただくことができます!
経験上、性格的にかなりせっかちな方、時間に追われている方に小さい歯ブラシでバス法を指導すると
その他、リウマチ、膠原病、脳梗塞の後遺症、高齢などの理由で細かい指先の動きが難しい方には、いくら口腔内が小さいからと言えども、コンパクトヘッドをオススメするのは難しいですね・・・
大きなヘッドの歯ブラシは、当たれば取れる!一回動かしたときの除去率は高い!もちろん届かない場所もでてきますが・・・
難しい指導が出来ない方、不器用な方には大きめヘッドをおススメする選択肢があってもよいのではと思います。
こうして書き出してみると一概にコンパクトヘッドが良いとは言えないことがわかります。
最近では、力や圧を分散し、しっかりと歯ブラシを動かすためにも大きめヘッドの歯ブラシの需要も高まっているようです。
なんとなく、大きな歯ブラシは一昔前というイメージがありましたが、大きめヘッドの歯ブラシの良さも見直されているんですね。
まとめてみると、今の私の考えでのヘッドの選び方は、
口腔内の個性だけではなく性格・モチベーション・生活環境・疾病なども考慮した上で小さめがよいのか?大きめがいいのか?と台座の大きさを考える。
当たり前のことかもしれませんが、口腔内だけを診るのではなく、多方向から患者さんをみることができればいいですね
最後にいつも弊社代表の岡村から言われることは「答えは一つではないよ〜!」と「歯ブラシは何を使用しても過不足(やりたりないこと・やりすぎないこと)なければOK」
「プロとして、患者さんの口腔内に適した歯ブラシを選択したなら、磨き方だけではなく、なぜその歯ブラシを選択したのかの意味を伝えようね」と教わっています。
患者さまに合った歯ブラシをオススメするとき、選んだらそれで終わりではありません。
指導したらそれで終わりではありません。
新しい歯ブラシを試してみた使い心地はどうだったか、患者さんに次回のときに問うてみること。
実際にプラークコントロールは良くなっているのか、もし変わっていなければ何がいけなかったのか…
患者さんと一緒に確かめあうことが大切
「ブラッシング指導はコミュニケーションだとも思えています」
最初に選んだ歯ブラシが必ずといってぴったり合うとは限りません。
時間をかけて患者さまと向き合うことで分かってくることや、メインテナンスの途中で患者さまの生活の変化が起こることもあると思います。
いつも同じ流れ、同じ道具を使ってのメインテナンスになっていませんか?
その時々で歯ブラシを変えることも必要なことです。
歯ブラシを変えてみることで、患者さまとのコミュニケーションもきっと広がります!
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