第1回 歯科TBI

ブラッシング指導 その1 〜患者さんにどう伝えてる?〜

更谷真耶 更谷真耶

# コラム

 

歯科衛生士の必須スキルTBIについて、ラプレシャス運営スタッフの更谷が複数回に分けてお伝えしていきます。

 

 

伝える不安

 

歯科衛生士のみなさん、患者さんへのブラッシング指導(TBI)は好きですか??

苦手意識を持たれている方も多いのではないでしょうか?

初期治療の患者さんをたくさん診ていくと、歯肉縁上のプラークコントロールが治療の結果を大きく変えることがよくわかります。

 

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初期治療がうまくいった症例をみると、いつもこう思います。

“やっぱりすべてはプラークコントロールなんだなぁ・・・ ”

わかっているつもりでも、患者さんによっても口腔内は千差万別だし、それぞれキャラクターも違う。

『嫌な気持ちにさせたらどうしよう。』

『どこまで踏み込んでいいのかな。』

ブラッシング指導をするとき、いつもそんな思いが頭の片隅にあります。

 

特に新人の頃は、分からないことも多く自信もないため、なるべく質問されないように、なるべく怒られないように、なるべく早く終わりたい…

そんなことを思いながらメインテナンスをする方も少なくないはずです。

 

 

歯肉の治癒を実感

 

初期治療の患者さんを担当し始めると、いよいよブラッシング指導を徹底しなければ、治るものも治りません。

こんな感じでいいのかなぁ。と思いながらも、

ひとり・・・ふたり・・・

患者さんが増えてくると、どこかで手応えを感じることがあります。

それは初めて受け持った患者さんかもしれないし、二人目、もしかすると何十人目かもしれません。

患者さんのセルフケアが上達したとき、歯肉の治癒を実感します。

 

 

患者さんにあった 歯ブラシと磨き方

 

口腔ケア状態が全身の健康を左右することは、たくさんの衛生士さんが知っていることと思います。

患者さんの生涯の健康が、わたしたちが行うブラッシング指導にかかっていると言っても過言ではないかもしれません。

 

では実際、どのようなブラッシング指導を行っていけば良いのでしょう。

 

プラークを除去することがブラッシング指導だと思っていませんか?

もちろん、これも間違いではありません。

わたしたちにできることは、ひとりひとりに合った歯ブラシの選択をすること。

そして、ひとりひとりに合った磨き方を伝え、理解してもらうことです。

 

みなさんは、いま使っている歯ブラシをなぜ選んだのでしょう?

 

患者さんの口腔内には、性格と同じように個性というものがあります。

使いやすさ、心地よさ、持ちやすさなど、女性が自分に合う化粧品を選ぶのと同じように、歯ブラシを選ぶことには意味があります。

わたし自身、衛生士という仕事に就くまで口腔内の個性なんて、これっぽっちも知りませんでした。

歯科について勉強したからこそ、自分の口腔内に興味を持ち、今までにいろいろな歯ブラシを試してきました。

しかし、自分の口腔内ですら『これ!』と思う歯ブラシを見つけるには時間がかかりました。

患者さんからすれば自分に合った歯ブラシを選択することは、更に難しいことでしょう。

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そしてそれ以上に難しいのが、患者さんの長年の生活習慣である “クセ” を変えることです。

 

最終的に、患者さんには自身の口腔内細菌をコントロールできるようになってもらうことが目標です。

“食渣” ではなく、 “細菌” というところが大きなポイントです。

 

 

まとめ

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わたしたちが伝えたことに対し患者さんが  “納得” したとき、患者さんは『そうなんだ!』『やってみよう!』と行動変容を起こします

そのためには、歯を磨くことによってどのような変化が起こるのか、自分にとってどうプラスに働くのかということに、患者さん自身が気づくことが大切になります。

日々、たくさんの患者さんを診ている歯科衛生士だからこそ、それを伝えていくちからがあるはずです。

 

わたしたち歯科衛生士の仕事は、ただ患者さんの口腔内を一時的にきれいにするだけではありません。

 

口腔ケアを通じて、たくさんの人の生涯の健康をサポートできるとっても素敵なお仕事です。

そう思うと、明日からどう患者さんと向き合っていこうかな〜なんて、いつもより少しやる気がわいてきませんか?

いつでも患者さんの視点に立ち、患者さんの思いに寄り添える衛生士でありたいですね。

次回は、『ブラッシング指導 その二  〜 伝える前に聴いてみよう!〜』をお伝えしたいと思います!

 

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