こんばんは!
今週はチームバックエンドの木部がお送りいたします。
全然外に出ていないので、ブログの顔になるアイキャッチ写真がなく
密かにコレクションしている面白字幕を公開。
動画編集ソフトが自動でつけてくれる字幕が時々面白いのです🤭
これは岡村がU字工事のギャグを言っているのではなく
「根面、根面から離れないように」と言っています。
1人でも笑って元気が出ていたら嬉しいです!
近況としては、何十年かぶりにたまごっちを育てています 笑
何のキャラになるか楽しみです😊
さて、本日は新分類とっつきにくいと感じていた私が 、
新分類すごい〜なるほど!となるまで噛み砕いたものをお伝えする第3弾
これまで歯周病の知識を深めてきましたが、今回は本格的な診断のフェーズに入り、ステージ分類についてお話しさせていただきます。
第1弾『健康な歯肉と歯肉炎を知ろう!』はこちら
第2弾『歯周炎の定義を知ろう!』はこちら
⚠️上記の記事の内容をふまえて、必ず“歯周炎”をスクリーニングしてから診断を始めてくださいね
Contents
みなさんご存知のステージ分類の表ですが、重症度、複雑度、範囲と分布に分かれています。
重症度、範囲と分布は『歯周炎の進行具合』
複雑度は『誰が治療に介入するとうまくいくか』がわかるようにできています。
診断のポイントは
(歯周炎でない状態とはなんぞや、CALよくわからんという方は第2弾の記事で詳しくお話ししてますのでこちらをご覧ください😊)
歯間部のCALについては前回お話ししたので割愛します🙇
X線上の骨吸収はCEJから根尖までを3分割した枠を書いて、骨のラインを引くとめっちゃわかりやすいです
実際は歯周炎が1番進行している1箇所で診るのですが
上顎と下顎の目盛の違いを見ていただきたく2枚デンタルを並べています。
この症例の場合は両方とも骨吸収が1/3を超えているので
ステージはⅢかⅣになります。
ステージⅠ・Ⅱに関しては
骨吸収が15%以下(枠の1/6まで)骨吸収があったらステージⅠ
骨吸収が15~30%(枠の1/3くらいまで)骨吸収があったらステージⅡとなります。
ここでいう歯の喪失は単純に歯の無い数ではなく、歯周炎により喪失した歯の本数です。
歯の喪失理由は患者さんから聞きとりますが、中には覚えていない方もいらっしゃると思います。
一般的には喪失部の歯槽骨がデコボコしている場合は歯周炎で歯を失った可能性が高いです。
また、他の歯の治療歴から患者さんのリスクやタイプを読み取って喪失理由を推測する方法もあります。
判断を迷われる場合は相談の上、歯周炎による喪失とするかを決めていきましょう。
また、ここでのポイントは歯周炎が進みすぎて残せないと診断され、いずれ抜歯する歯も数に含む ということです。
(歯周炎以外のう蝕や智歯、破折歯などで抜歯予定の歯は含みません)
なぜホープレスな歯も含めるかというと
旧分類では歯を抜いたら重症度が軽くなるという意に反する結果になってしまい、それを回避するためです。
ホープレスの基準は先生の考え方や治療方針によって変わるため、診断する人によってステージが変わってきます。
ラプレッスンの新シリーズ『読影力up!基礎講座』では、X線の基本から読影力を鍛えるワークまで一通り学べるようになっています。
歯周病新分類で診断を行うのに欠かせないX線写真
レントゲンを読めない、活かせていない方にぜひ見ていただきたいシリーズです。
1本目の動画はフリー会員の方もご覧いただけます。
この動画のパノラマの仕組みのところは、今まで“?”に感じていた部分のヒントになると思いますのでぜひご覧ください!
・X線からわかること
・X線写真とは?
・X線のしくみ
・X線写真のメリット、デメリット
・X線写真の種類
ここの項目は文字が多いので、一見ウッとなりますよね 笑
意味がわかれば大丈夫です
複雑度はプロービングデプスに着目した分類となっています。
プロービングデプスは歯肉頂からポケット底部までの距離ですが、歯肉の腫れの程度によりとても変動しやすい数値です。
注意すべきは歯肉炎における仮性ポケット。
アタッチメントロスが起きていないのにプロービングデプスが3mm以上になるため
プロービングデプスだけで歯周炎と判断してしまうのは危険です⚠️
複雑度のプロービング値は参考程度とし、複雑度で使うCALを優先して考えるのがいいそうです。
さて、ステージⅣの文字が多いところですが、簡単にいうと
ちゃんと噛めてる?
噛み合わせを作ってあげる必要がある?
ってことを聞いています。
ここで複雑度がグッとわかりやすくなるスライド↓
ステージⅠとステージⅡ
CALが4mm以下で水平性骨吸収なので一般開業医の基本治療で治療可能なケース
ステージⅢ
CALが5mm以上で垂直性骨吸収がある。分岐部病変もあって歯周外科が必要かもなのでペリオの専門医にも介入してほしいケース
ステージⅣ
ペリオ専門医による治療+咬合の改善や構築が必要なケース
歯周炎で歯が5本ない人や骨吸収が大きい人全員が、補綴・矯正の専門医の治療が必要なわけではないと思います。
ここは新分類の表に書いてある項目だけに捉われず、目の前の患者さんを治すにはどのような治療をして、誰が介入するのがいいのかを考えて分類します。
このことから、新分類は枠に当てはめずに個性にあわせた分類ができる多様性のあるツールだなと感じました。
ここが私がいちばん“新分類すごい~なるほど!”と感じたところです😊
このスライドの引用文献はこちら↓
新分類をより深く理解したい方におすすめの本です~
ステージ分類の最後は読んで字の如く、歯周炎がどこまで広がっているかを見るところなのですが
日本の新分類だけに適応される『慢性歯周炎か侵襲性歯周炎か』を分類する項目でもあります。
慢性歯周炎の範囲の分類は今のところ
歯周炎に罹患している歯の本数 ÷ 残存歯数×100
の計算で罹患率を出せばOKです。
ここでよく聞かれる質問!
① 歯周炎にかかっている歯って何?
→簡単に言うと
アタッチメントロスがあり(CEJより下にプローブが入る)
3mmより深いポケットで歯肉に炎症(BOP+)がある歯です
詳しくは第2弾のブログをご覧ください② 歯肉の出血があったら歯周炎?
→ポケットが3mm以下の場合は歯肉炎と判断するため、歯肉出血=歯周炎ではありません
詳しくは第1弾のブログをご覧ください
③ 歯肉の出血がある部位は全て新分類の診断の歯に含む?
→出血があったら治療対象というイメージがあるので混同されているかもしれませんが、②の回答のとおり歯肉炎の歯は診断に含めません
『範囲と分布』でややこしいのは大臼歯/切歯パターン
単に歯周炎が大臼歯に多いか、切歯に多いかを表すものでなく、侵襲性歯周炎の範囲と分布に使います。
なので、慢性歯周炎の時は大臼歯/切歯パターンは必要ありません。
侵襲性歯周炎は第1大臼歯と切歯に限局して急速な歯周組織の破壊が起きるのが特徴の歯周炎です。
早い段階で骨吸収レベルが高く、昔は若年性歯周炎と言われていました。
こちらの日本医事新報社さんのサイトに行くと実際の症例写真やデンタルが見られますので、侵襲性歯周炎のイメージがつきやすいと思います😊
侵襲性歯周炎の範囲と分布は
第1大臼歯、切歯以外で侵襲性歯周炎の歯が2本以上
→広汎型侵襲性歯周炎
第1大臼歯、切歯以外で侵襲性歯周炎の歯が2本以下
→限局型侵襲性歯周炎(大臼歯パターン/切歯パターン)
となります。
大臼歯/切歯パターンは限局型侵襲性歯周炎の時に記載するもの、ということを押さえておけば大丈夫です!
ステージ分類でわかること
どこまで広がってるか
→重症度から広汎型/限局型を診断する
どんな種類の歯周炎か
→重症度から慢性/侵襲性を診断する
誰がどんな治療をすれば治るか
→複雑度から
・ 基本治療で治る(一般開業のDrやDH)
・ + 歯周外科が必要(歯周病専門医)
・ + 咬合の再構築や改善が必要(補綴や矯正の専門医)
を考える
新分類の表に沿ってきっちり診断していこうとすると、これってどっちのステージ?と迷われることもあると思います。
先ほど『新分類は枠に当てはめずに個性にあわせた分類ができる多様性のあるツール』とお話ししたとおり
◯◯さんだったら…
この歯の感じからすると…
と、個性を考えてみるとうまくいくかもしれません。
新分類は改訂していくことを見越して考えられたもので、この先も項目や解釈が変わることが大いにあります。
また、診断に当てはまりづらいグレーゾーンについても言及されていますので、いろんな人の意見を聞いて診断をすり合わせていってくださいね😊
長い長い記事を読んでいただきありがとうございます。
あとはグレード分類ですが、長くなるのでまた次の機会に。
次回最終回の予定です~🙌
すっかりお馴染みになりましたラプトレOSAKAからのインスタライブ
今回はセミナー終わりの岡村、奥野、村上でお送りしました!
今回は上顎大臼歯のプロービングについてお伝えしています。
◾️上顎臼歯頬側のプロービング時に多いお悩みにお答え!
・臼歯部遠心、特に最後臼歯が見えない
・見えづらくて覗き込み姿勢になってしまう
◾️3つの攻略法
①ポジショニング
②ミラーテクニック
③ヘッドローテーション
◾️右上、左上大臼歯部のプロービング(奥野デモ)
・ポジション
・ミラー、プローブ持ち方
・ミラーテクニック
・プローブの挿入と動かし方
・レスト
・患者さんへの配慮について
次回のインスタライブは3月2日(日) 17:30-18:00の予定です。
おたのしみに~😊
アーカイブは2/23(日)くらいまでご覧いただけます
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