
みなさん、こんばんは。
今週は、バックエンドの里見が担当します。
先日、臨床勤務先の歯科衛生士みんなで、口腔機能実地指導料の施設基準の研修を受けてきました。
今回は、その研修レポートとして
「口腔機能管理は何を目指しているのか?」
について私が学び、気づいたことを、歯科衛生士目線でお伝えします。
Contents
「口腔機能実地指導料」は令和8年度の診療報酬改定で新設されました。
点数のことや決まりは難しそうですが、この項目は歯科衛生士にとってかなり身近な項目です。
患者さんの「食べる」「飲み込む」「話す」といった口腔機能に対して、歯科衛生士が行う実地指導が、独立して評価されるようになりました。
「口腔機能の発達不全を有する患者、または口腔機能の低下を来している患者」が対象とされています。
研修を受けた歯科衛生士が、歯科医師の指示のもと、その患者さんに必要な口腔機能の指導を行うことで算定できます。

いざ医院で始めようと思うと、
いろいろな疑問が出てきますよね。
そこで大切なのが、「何のために口腔機能管理をするのか」という視点です。
その目的を意識すると、診療の中で見るべきところも、少しずつ見えてくるように思います。
前半の講義は、口腔外科の先生による講義でした。
口腔機能精密検査のひとつ、「舌口唇運動機能低下」の評価では、「パ・タ・カ」を繰り返し発音して、その回数を測定します。
を主に評価します。
この「カ」の動きが食べる機能との関わりに深いそうです。
今回、私が改めて感じたのが、
“口腔機能を診ることは、「食べること」を診ることでもある”
ということでした。
私たち歯科衛生士は、どうしてもこうした “お口の中の変化” に目が向きます。
もちろん、それを見つけることは大切です。
でも、その先には患者さんの「食事」があります。
噛みにくくなれば、食べやすいものを選ぶようになる
↓
舌や口唇の機能が低下すれば、食べられるものが変わってくることもある
↓
食事内容が変われば、栄養状態にも影響します。
口腔機能の低下は、摂食や栄養、さらには生活機能やQOLにも影響する可能性があることが示されています。
まさにドミノ倒しです。


研修では、高齢になるとタンパク質の摂取量が少なくなり、炭水化物に偏った食事になりやすいことについても学びました。
厚生労働省の資料でも、口腔機能が低下すると、肉・魚・野菜・果物などの摂取が減り、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足しやすくなる一方、炭水化物などに偏りやすくなることが示されています。
だからこそ、
口腔機能の低下を見つけたときに
「ちゃんと食べていますか?」
だけではなく、
「何を食べていますか?」
まで聞いてみる。
身体的フレイルを防ぐためには、筋量・筋力を維持することが大切です。

そのためにも、タンパク質をしっかり摂れているかという視点は欠かせません。
口腔機能の検査で低下を見つけて終わりではなく、
“その患者さんが毎日、何をどう食べているのか”
そこまで少し視野を広げてみることも、口腔機能を支えるうえで大切なのだと改めて感じた研修でした。
そして、口腔機能を考えるのは高齢者だけではありません。
小児期は、食べる・飲み込む・話す・呼吸するなど、お口の機能を獲得していく大切な時期です。
小児期から口腔機能の発達を支えることは、その後も口腔機能を維持していくための土台づくり。
「低下してから見る」のではなく、「育てるところから見る」。
口腔機能管理は、子どもから高齢者までつながっているんだな、と感じました。
後半の研修の「訓練法と実地指導法の評価」についての講師を務められていたのは、くまみ先生こと熊谷周子先生でした!

(↑こちらは、ラプレッスン撮影時のくまみ先生です!)
くまみ先生のYouTubeやラプレッスンの講義を見たことのある方は想像できるかと思いますが、とても楽しく学ぶことができました!
口腔機能の訓練は、患者さんが続けられてこそ。
「どんな訓練をするのか」
だけでなく、
「どう伝えるか、どう続けてもらうか」
が大切だと感じました。
具体的な訓練法については、ぜひくまみ先生のラプレッスンやYouTubeをご覧ください。
こちらの動画では、
「なぜ今MFTが必要なのか?」
そこに口腔機能発達不全症、口腔機能低下症を管理する理由が詰まっています。
ちょうど問診票を作り替えるタイミングだったので、追加したいと思いました。
など食べる機能に関する質問を設けることで、口腔機能に目を向けるきっかけになります。
まずは、問診票を書いていただけるタイミングで、取り入れやすい方から!
成人、高齢者の方であれば、
「むせる、痩せてきた」
小児であれば
「お口が開いている」
などまずは、普段の診療で気づきやすいところから。

数年前の息子、ゲーム中お口開いています(笑)
最初から完璧に進めることは、難しいですよね。
“まずは、患者さん一人やってみる”
続けることで見えるものが増えてくると思います。
一緒に経験を積んでいきましょうー!!

私たち歯科衛生士が診ているのは、歯だけではありません。
子どもでは、食べる・話すための機能を育てること。
成人・高齢者では、その機能を維持し、低下に気づくこと。
そして、その先には毎日の食事や栄養、全身の健康があります。
そんな小さな変化に気づけるのは、定期的に患者さんと会っている歯科衛生士だからこそ。
歯を守るメンテナンスから、食べる機能まで守るメンテナンスへ。
そして、その先の全身の健康へ。
口腔機能を見ることで、私たち歯科衛生士が患者さんを支えられる範囲が広がるのかもしれません。
今回の研修で、そんなことを改めて感じました。

今週は、バックエンドの里見が新着動画のレビューします!
変化に気づける衛生士になるには?
動画で例に挙げている着眼点は、皆さんも日々、目に止まっているのではないかと思います。
それをスルーせず、
「なぜだろう?」
「配慮できることはあるかな?」
という関心が、
「いつもと違う」
に気づくための一歩だと、再確認できる内容です。
診療のタスクだけでなく、まず患者さんを観察することを意識したいですね!
見えやすく、操作は行いやすい下顎前歯のSRPですが、歯牙が小さく、歯肉を傷つけやすい部位です。
動かしにくい時の持ち方と、レストの位置を紹介しているので、ぜひ両方のやり方を試してみて、どちらがやりやすいのかを見つけてみてくださいね。
患者さんによっても、やりやすい方法は違うかもしれません。
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