第3回 歯科衛生士と食育

お口にいい食べ物って? 〜大きいお口でがぶり〜

星崎雅恵 星崎雅恵

# コラム

 

食育をテーマにブログを担当する星崎雅恵です。
自分自身の経験を通じて、衛生士さんが家族や患者さんに伝えられる事を書いていきたいと思っています。

 

朝晩に秋の気配を感じる心地いい季節になってきましたね。
今年の夏はとても暑い日が多かったですが、夏バテなどされませんでした?

私は、暑さは得意ではありませんが、夏は子供の成長をとても感じられる季節なので好きです。

 

夏の定番野菜

 

今年の夏もたくさんの成長を見せてくれた我が家の怪獣たち♡
ワクワクする毎日でした。

そんな我が家では、夏になると定番の食材が!
それは、身体を冷やしてくれる食材…

 

 

有難いことに毎年、おじいちゃんの畑から直送です。

今年の夏もたくさんいただきました。

身体を冷やしてくれる食材や温めてくれる食材を意識していますが、今回はしっかりお口を開けて噛むお食事を紹介します。

近年食生活の変化により、よく噛まずに食べ物を飲み込んでしまう子供が増えています。

よく噛むことで子供のアゴは成長します。

逆によく噛まないとアゴは十分に成長せずに永久歯が生えてくるスペースが狭くなり、結果として歯並びが悪くなることがあります。

私も親子広場で「歯と口のこと、なんでも聞いてください会」をしていますが、毎年質問を受けます。

 

「お口にいい食べ物ってどんな物がありますか?」

歯科医院にもそんな疑問を持たれている親御さんも多くいらっしゃると思います。
普段の生活から取り入れられる方法のひとつとしてお伝えしてもらえたら…と思います。

ここで問題です。

現在、小学生のこどもの好きな食べ物はなんでしょう?

 

現代の小学生が好きな食べ物

 

<2018年こどもが好きな食べ物ランキング!>

1位 カレーライス(これは昭和20~30年から変わっていない!)

2位 お寿司(贅沢ですね!)

3位 唐揚げ

4位 ハンバーグ

5位 ラーメン

以下、オムライス、ポテトフライやピザなどがランクイン!

 

 

食生活の変化が顎の成長を止めている

子どもによく噛む習慣をつけてもらうには、普段の食生活から見直していく必要があります。

根菜類が中心だった戦前に比べ、現代の食事はファーストフードやインスタント食品、またはランキングに入っているハンバーグやオムライス、ラーメンなど、あまり噛まずに飲み込めてしまうものが中心です。

食生活の変化と噛む回数について調べた結果、戦前に比べて現代では噛む回数が半分になっていることがわかっています。

ランキングを見て、親御さん世代の方も共感できる食べ物も多くあるかと思います。

私も子どもの頃から好物だった食べ物は、親になった今も我が子によく作ります。

好きなメニューに一工夫をすることで咀嚼率が上がったり、食材の味がより楽しめたり、他にもお口にもいいことがたくさんあります。

 

好きなメニューに一工夫〜よく噛む工夫〜

 

  • よく噛む習慣は4〜5歳くらいで始める

赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいたころから指しゃぶりや生まれてからの母乳を吸うことで噛むためのトレーニングは行われています。

2~3歳で乳歯は生え揃い、噛むための準備ができます。

6歳頃には噛む力はついてくるため、その前の4~5歳くらいで噛む習慣をつけているとその時期になった時にしっかり噛めるようになります。

 

 

咀嚼回数を増やす

好きな食べ物ランキングに入っている食事も我が家ではよく作ります。
我が家のワンプラスの工夫を紹介します。

 

  • カレーライス
  • ハンバーグ

メジャーな食材にプラスして根菜類、大豆や高野豆腐などを入れます。

ブロッコリーの芯の部分を入れたりもします。

また、食材も一口サイズではなく大きめに切ります。

広場でもしっかり噛める年齢になっても「喉も詰めたらいけないから」と細かく材料を切っている優しいママさんもいます。

だけど、子どものことを想うなら、お母さんも少し手を抜いて、大きめに切る事が優しさです。

プラス!我が家はほぼ玄米です!咀嚼回数が上がるだけでなく、栄養価もアップします。

なので、外食して真っ白なご飯が出てくると「白―い」と改めて思います。(笑)

 

  • お寿司

家でする時は手巻き寿司が多いです。ポイントは焼き海苔を噛み切ること!
自分でアレンジしてオリジナルのお寿司が食べられる事も楽しんでいます。

 

  • 水分で食べ物を流し込まない

食事の際に、お水やお茶を必ず一緒に食卓に出すご家庭もあると思います。

しかし、これでは水分で食べ物を流し込めてしまうので、あまり噛まずに飲み込む癖がついてしまいます。

子どもが自分で気を付ける事は難しいので、食事前に飲んでから、食事中はお味噌汁やスープなどの水分を摂るように習慣をつけましょう。

そうすることによって、唾液の力も十分に高められます

 

 

  • おやつに歯ごたえのある食べ物をプラス!

食事以外に、おやつでも噛むトレーニングができます。

チョコレートやケーキだったものをおせんべいにしてみたり、リンゴや梨・スルメや焼きあご・お菓子昆布など、噛めば噛むほど味が出てくるものをおやつするのもいいです。

 

噛むことのメリット

 

  1. 唾液が分泌される
    よく噛むことで、唾液の分泌量が増えて、自浄作用が増します。
    結果、齲蝕予防の作用も期待できます。
    また、食事の消化や吸収も良くなります。
  2. 食べ過ぎ予防になる
    たくさん噛むことで満腹中枢が刺激されるので、食べ過ぎを防ぐことができます。
  3. 脳の発達・気持ちが落ち着く
    よく噛むことは、脳の発達やストレス・緊張の緩和にも繋がります。

    よく噛むことで脳が刺激され、血流が良くなり活性化されるのです。

    また、緊張を和らげる化学物質が増えるので、気持ちが落ち着き、リラックスできます。

 

まとめ

当たり前のように行っている噛む行為ですが、当たり前になっていて、大人の私達も噛むことへの意識が薄れてきているのではないでしょうか?

生活スタイルや環境の変化などによって、上手くできない子どもが増えています。

噛む事は、綺麗な歯並びに繋がり、またプラスして様々な作用に期待できます。

外食では、お口を大きく開けてよく噛むメニューを見つけることは難しくなってきました。

 

  • 毎日の家庭での食事に一品でもお口を大きく開けて食べるメニューをプラスしてみる!
  • 大人も一緒によく噛むことを意識して子供に見せる!

など、普段の生活を少し見直す事で、子どもたちの顎の成長を助けることができます。

 

子供の時期だからできること!

子供の時期に必要なこと!

 

親子での「健口づくり」のヒントにしてみてください♡︎ʾʾ

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