第2回 新人衛生士からの質問

右下頬側のスケーリングが苦手です!

岡村乃里恵 岡村乃里恵

# コラム

連載: 新人衛生士からの質問 全2回

新人衛生士のお困りごと!トレーニング方法やコツをお伝えします!

 

前回のブログ、『新人衛生士からの質問その1「下顎前歯部舌側のスケーリングのときのレストは?」からずいぶんと日がたってしまいました。(ゴメンなさいー)

 

私の研修先の新人たちは、医院の雰囲気にも慣れ、基本検査、スケーリングと実際に患者さんを担当し始めています。

 

本日のブログは下顎舌側に続いて右下頬側のスケーリングが苦手なDHに向けてのブログです!

 

 

新人DHからのよくある質問

Q:「右下の頬側のスケーリングが苦手です。うまく粘膜の排除ができません。どうしたらうまく出来ますか?」

 

粘膜排除が苦手なDHの施術の様子を見てみると、

「肩が上がっててしんどそう」

「口角が引っ張られて、患者さんもしんどそう」

「チップが当たってないよ~」

と突っ込みどころが見えてきます。

 

もちろん、解決方法はあります!一つ一つお伝えしていきますね。

 

 

A:あたりまえになっている基本動作を一度、見直してみましょう!

 

1、患者さんのポジションをみなおしましょう

まずは患者さんのポジションを見直してみましょう!

 

チェアーを起こし気味で施術してませんか・・?

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この患者ポジションでは、サイドポジションに座らなければ、口腔内が見えません。

 

サイドポジションに座っても、もちろんできます。ただ、手首が曲がる。肩が上がりやすくなります。

 

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ではどうすればいいか?

答えは「顔面平面を床と平行にすることです」

これならバックポジションに座っても口腔内を見ることができます。

 

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参考:患者ポジションの動画

lessonshow17

基本となる患者さんのポジション(頭の位置/顔の角度/チェアの高さ)を動画で説明しています。参考にしてください。

 

ポジショニング『02. 患者ポジション』
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2、術者のポジションはあっていますか?

患者さんの顔面平面を床と平行にしたら、自分のポジションを決めていきます。

 

ここで、背の高さによっても行いやすいポジションに違いはありますが、まずは11時に座り、足を6時の方向に向けてみましょう。

 

参考:術者ポジションの動画

lessonshow18

基本となる術者のポジションについて解説している動画です。参考にしてください。

・からだに無理のない術者の姿勢
・自分に合ったイスの高さの合わせ方

ポジショニング『01. 術者ポジション』
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その時に大切なのは、フットペダルを左足で踏めるところに置くことです。

 

左足で踏むか、右足で踏むかで体の向きが変わりますので、右下頬側を行うときは、11時に座り足を6時の方向に向けることによって、口腔内を見えやすくすることができます。

 

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3、サクションの挿入を見直しましょう。

サクションを順手に持ち、口腔内に挿入します。このサクションテクニックでやりやすさが決まります!

 

下の写真を見比べてみてください。違いがわかりますか?

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答えは、サクションの挿入方向です。右側の写真が正解となります。

 

 

頬側では粘膜を排除して、超音波スケーラーを動かすスペースが必要となります。

 

患者さんに不快な思いをさせずに、粘膜を大きく広げるように排除する必要があります。

 

ではどのように行うかを順に説明します。

 

1、開口量は指2本分くらい

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2、正中から頬粘膜に向かってサクションを挿入します

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3、サクションチップが見えなくなるところまで入れます。

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4、ゆっくりとサクション全体を下に下げます  

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5、最後に見えるところまで広げます。

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上記の手順で行うと、粘膜を大きく広げることができ、最後臼歯部まで見ることができます。

 

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粘膜を大きく広げることによって、超音波スケーラーを操作するスペースが生まれ、チップを動かしやすくなります。

 

ここで、粘膜が柔らかい方や咬筋が発達していて頬の内側が膨らんでいる方など、どうしても粘膜を吸ってしまうのであれば、秘策があります!

「ロールワッテ」を入れてみましょう!

 

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そしてロールワッテごと粘膜を広げると、粘膜を吸ってしまうことがなくなりますので、ぜひぜひ試してみてください。

 

ほんの一手間を加えることによって、スケーリングもやりやすくなります。

 

上達のコツは、まずはポジションから見直してみてくださいね

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4、レストの取り方は?

上記の写真を見ると、両肩ともにナチュラルに力を抜くことができ、手首をまっすぐにできています。

 

サクションを短く持ちすぎてしまうと左肩が上がりやすくなりますので、写真を参考にして持ってみてください。

 

最後にレストですが口腔外やサクションの上に置くこともできます。

 

右下最後臼歯部などは、ポジション13時でも行いやすいので、ぜひ試してみてください。

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参考:スケーリング右下臼歯部の動画

lessonshow75

右下臼歯部でのスケーリングについて実践している動画を参考にしてみてください。
・サクションの持ち方と挿入方法
・超音波スケーラーの持ち方と挿入方法
・レストの位置

スケーリング 実践編 『05. 右下臼歯部頬側・舌側 その1』
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