学会レポ!歯の動揺度のお話

木部 真実 木部 真実

# コラム

 

こんにちは!

今週はチームバックエンドの木部が担当いたします。

 

8月もそろそろ後半にさしかかりますが、長い夏になりそうですね…

ここでセミの鳴き声の雑学を

 

「ミンミン」とか「ジージー」とかを聞き分けて表現できるのは日本特有らしいです。

声として捉える日本と違い、他国では音として捉えるので騒音、雑音の一種として聞こえるみたいです。

 

また、セミの鳴き声には免疫活性の改善、ストレスホルモンの減少などの健康効果まで得られるそうなので、

うるさいと思わずに、「今日も元気に鳴いてるねー!」っと労ってあげたいですね。

 

ちなみに虫はとても苦手ですが

好きなセミの鳴き声はヒグラシです。

 

歯根膜への愛を感じた講演

先日、春季日本歯周病学会をオンデンマンド受講しました。

 

今回の学会のテーマは「歯周病の精密および個別化医療」

 

特に印象に残ったのは、千葉英史先生の歯科衛生士教育講演

歯科衛生士が診る「歯にかかる力と歯周組織との関係」という講演で

 

千葉先生が歯根膜に“まーくん”と名前をつけて説明してくださり、歯の1本1本を命があるように診る大切さがよーく伝わりました!

 

今回は千葉先生の講義を少しシェアさせていただきますね。

(私も歯根膜は“まーくん”で行きます)

 

 

先生は歯科衛生士も咬合性外傷を知ることが大事とおっしゃっていたので

ここで1度、咬合性外傷について振り返りましょう。

 

咬合性外傷は歯にかかる力により“まーくん”がケガをしている状態

“まーくん”の状態を知るには歯の動揺とレントゲンを読む事が大事と。

その中で今回は動揺について少しまとめてみたいと思います。

 

歯の動揺は「結果」

動揺は急に現れるわけではないというのは皆さんもご存知かと思います。

歯の動揺がおこる要因は様々で

 

これらの結果として歯が動揺します。

 

  • なぜこの歯は揺れているのか?
  • 生理的動揺なのか、病的動揺なのか?
  • 病的な場合、何をすれば動揺が改善するか?

を考えながら動揺を診る事が大事とのことです。

 

さて、歯の動揺の分類としていちばんよく使われているのはMillerの分類

千葉先生はMillerの分類だけでは歯の動揺の評価としては不十分と考え、水平的動揺と垂直的動揺に分けて記録しているとおっしゃていました。

臼歯部の垂直的動揺を測定する際に注意するのが

咬合面の真ん中だけではなく、ポケットが深いところの咬合面を評価することが大事だそうです。

 

歯の動揺って“あり・なし”だけを診てしまいがちですが

水平と垂直に分けて診る事で“まーくん”からのサインに気づきやすくなると感じました。

 

千葉先生は最後に

歯周基本治療ではまず炎症のコントロール

重度歯周炎は最初からその歯にかかる力の問題を意識しよう、とまとめていらっしゃいました。

 

 

みなさん限られた時間の中で歯周検査をされていて、検査項目が増えるのは大変かと思いますが

  • ポケットが深い
  • レントゲン上で歯根膜腔の拡大がある
  • 歯に違和感や咬合痛が出ている など

正常とは違うところを精査する

そこにリスクや異常があったらアプローチを考えて実施する

 

というのが今回の学会テーマである精密および個別化医療なのかな、と思いました。

 

今週のおすすめ動画

ラプレッスン でも大人気の解剖学シリーズから、Oリスクの高い患者さんの動画をおすすめします。

 

私はこの動画を編集する際、Oリスクという用語を知らず、ラプレメンバーに質問してしまいました(笑)

 

Oリスクとはocclusion(咬合)リスクのことで、この動画では実際の臨床で出会ったOリスクの高い患者さんの抜去歯牙を見ながら歯牙解剖学的特徴や歯周病との関係を学ぶことができます。

 

ぜひご覧ください!

 

おすすめ動画を見る

 

 

憧れの国宝とご対面

7月の大阪出張の際に藤田美術館へ憧れの曜変天目茶碗を見に行きました!

 

曜変天目茶碗ご存じですか?

とってもとっても貴重なお茶碗です。

 

なんと藤田美術館ではフラッシュを焚かなければ写真撮影可とのことで

わたしのカメラロールに曜変天目茶碗の生写真が並ぶ日が来るなんて!感激…

 

ちょうど展示室に誰もいない時間があり、2人きり(1人と1椀…笑)という貴重な時間を過ごさせていただき、大興奮のご対面となりました!

 

この宇宙のような美しさに、織田信長が肌身離さず持ち歩いていたとも言われています。

 

現在は世界に3つしかない曜変天目茶碗ですが、全て日本が所有しており

この藤田美術館と東京の静嘉堂文庫美術館のものは徳川家康が所蔵していたものだそうです。

 

残る1つは京都の大徳寺龍光院が所蔵しているのですがなかなか公開されない貴重なものなので、いつかお目にかかりたいものです。

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