第10回 歯科TBI

補助用具 〜歯間ブラシとフロスどう使い分ける?〜 その4

更谷真耶 更谷真耶

# コラム

 

歯科衛生士の必須スキルTBIについて、ラプレシャス運営スタッフの更谷が複数回に分けてお伝えしていきます。

 

 

色々な商品を使ってみるのもひとつ

 

ゴム型歯間ブラシ

近頃、歯科医院に来られる患者さんとのお話の中で耳にすることの多い「ゴム型歯間ブラシ」

 

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詰まった食渣を押し出すものとしてつまようじ代わりに使用するには歯肉にも優しくすぐれものです。

しかしペターッと歯面や根面に張り付いたプラークを絡め取る力は非常に小さいです。

 

バイオフィルムの存在

台所の三角コーナーのぬめりと同じようなバイオフィルムを破壊するにはある程度の硬さをもった歯間ブラシを“こすりつけて除去する”必要があります。

世間一般ではまだまだ認知度の低いこのバイオフィルムの存在・・・

ゴム型歯間ブラシの話が出たら、患者さんにバイオフィルムについて知っていただく大きなチャンスです!

コミュニケーションをとるきっかけにもなりますね。

 

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コミュニケーション例

患者さんにゴム型歯間ブラシはどうですか?と聞かれたら

患者さん:「ゴム型を使ってます」

私:「そうなんですね〜」「柔らかくて使いやすいですか〜?」

患者さん:「そうなんです〜」

私:「ゴム型歯間ぶらしは、お食事の後の食べカス取りに使っていただくにはとても良いものです」

「ただ、歯周病の治療のために取り除いていただきたいのは食さだけではなくて細菌なんです」

「細菌は、排水溝の滑りようにベタベタとしていて柔らかいゴムでは絡め取るチカラが弱いんですよ」

「しっかりと毛のあるブラシで絡め取ってくださいね」

とお伝えしています。

 

実際に目で見て、触って、自分の口腔内で使用してみる

先ほど紹介した体験談の中で患者さんが仰っていたように、使用感の差を知ってもらうためにひとつのものに固執せず色々な商品を使ってみることはとても大事なことです。メーカーによって毛の質や毛の柔らかさなど、違いがあって当然のもの。

患者さんの使っているものを否定せず、違いや特徴をお話しした上で患者さんに合ったものおすすめできる衛生士を目指しましょう^^

 

歯ブラシ

そのために、まずは自分自身が様々な商品を使ってみることが大事です。

実際に目で見て、触って、自分の口腔内で使用してみる。

歯間ブラシが入らなければ模型や衛生士同士、家族などに使ってあげるのもひとつではないでしょうか。

 

 

補助用具を勧める意味

 

歯科医院の中で働いていて日々目にするのは、定期的にメインテナンスに通い補助用具を使ってくださる意識の高い患者さん。

しかし、その視線を歯科医院の外に向けてみるとどうでしょう?

わしたちの住む日本は諸外国に比べてもまだまだ予防意識は低いです。

ここで、わたしたちが必死な思いで歯ブラシや補助用具を勧める意味をもう一度考えてみましょう。

 

歯科衛生士ってつくづく素敵な職業

多くの衛生士さんが『その人の健康を願っているから』『いつまでも自分の歯でしっかり噛めて、おいしいご飯を食べられるように』と答えるのではないでしょうか。すごく素敵なことです。

健康であることは、その人自身もその周りの人をも幸せにします。

こんなにも相手ためを考え、直接アプローチできる歯科衛生士ってつくづく素敵な職業だなぁと思います。

まだまだ予防意識の低い日本全国をもっと元気に、健康に、幸せにできる可能性に溢れた素晴らしいお仕事だと思っています。

「あなたの健康を願ってる」なんて恥ずかしくて伝えにくいこともありますが、少しの勇気を出して素直に伝えられたら、少しずつ、でも確実に私たち歯科衛生士の想いと歯科の知識が拡がっていくと信じています。

歯科に携わっていない人が、「このフロス良いから使ってみて!」「歯間ブラシをすると気持ち良いよ!」と周りに勧められること。

歯ブラシのみならず自分でできるケアのひとつとして補助用具がもっともっと普及し、まずは身近な人そして多くの人の健康に繋がっていくことを願っています。

 

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